このページの本文へ移動します

役員報酬 【CGC 原則3-1 (ⅲ)】

最終更新日:2025年5月30日

I. 役員報酬を決定するにあたっての方針と手続更新

1.役員報酬に関する基本的な考え方

 当社は、当社の取締役及び監査役(以下、本方針において「役員」といいます。)の報酬制度を「コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方に基づき、中長期的グループ企業価値の継続的向上と持続的成長の実現のために、適切なリスクテイクを行うための仕組み」と位置づけ、以下の点に基づき、構築・運用するものとします。

  • 当社グループの業績や企業価値との連動を重視し、中長期的に継続した業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気向上を一層高める制度とする。
  • 業務執行の適切な監督・監査によるコーポレートガバナンス向上を担う優秀な人財を確保することを目的に、各職責に応じた適切な報酬水準・報酬体系とする。
  • グローバル経験や当社の事業領域における高い専門性を有する人財を確保し企業価値の一層の向上を実現するべく、グローバルな人材市場においても競争力を有する報酬水準・報酬体系とする。
  • 報酬決定プロセスの客観性・透明性を確保し、すべてのステークホルダーの皆様から信頼される報酬制度とする。
  • 具体的な役員報酬制度の設計については、今後の法制度の動向や社会的な動向を踏まえ、より適切な報酬制度となるよう継続して検討する。
非財務指標の導入

企業価値と社会価値の両立を目指す当社として、2019年5月に策定した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』におけるCO2排出量の削減目標を、2020年度より業績連動型株式報酬のKPIに追加しています。
加えて、多様な人財が能力を発揮できる環境づくりをより推進し、従業員の貢献意欲の向上による企業競争力の強化を担保することを目的として、「従業員エンゲージメント」を、2022年度より業績連動型株式報酬のKPIに追加することとしました。

2.報酬水準

 役員報酬の水準については、当社の事業内容及び経営環境における各種ファンダメンタルズを考慮しながら、時価総額や収益規模等で、当社と同規模の主要企業における役員報酬水準を参考に決定します。

3.報酬構成

(1) 業務執行の取締役

(a) 報酬構成の割合

業務執行の取締役の報酬構成の割合(※1)は概ね次のとおりとします。
当社の業績連動型株式報酬制度は、現在、その運用上、国内居住者のみを対象としており、また、株主の皆様との価値共有を図り、当社の企業価値の持続的な向上に対する一層のインセンティブを提供するため、代表取締役社長 兼 CEOであるデイカス氏(※2)については業績連動型株式報酬制度とは別に、一定期間のコミットメントの遂行に基づく事後交付型株式報酬制度の対象とします。

業務執行の取締役の報酬構成の割合 業務執行の取締役の報酬構成の割合
  • ※1 業績連動賞与及び業績連動型株式報酬が基準報酬額であるときを前提として算出しています。
  • ※2 デイカス氏の固定報酬、業績連動賞与及び事後交付型株式報酬の基準報酬割合は、概ね1:2:4.5としておりますが、非居住者への諸手当を支給する場合には、固定報酬の割合が増える可能性があります。

(b) 構成内容

  1. i固定報酬
    • 職責の大きさに応じた役位ごとの、固定の金銭報酬とします。
    • 報酬は、在任期間中、毎月定期的に支給します。
    • 報酬委員会による審議・答申のうえ取締役会の決定に基づき、非居住者への諸手当を基本報酬に含めて支給することができるものとします。
    • 報酬委員会による審議・答申のうえ取締役会の決定に基づき、役職に応じた手当を支給することがあります。
  2. ii業績連動賞与
    • 短期のインセンティブ報酬として、事業年度ごとの会社業績や個人評価等に基づき変動する、業績連動の金銭報酬とします。
    • 報酬は、毎年、事業年度ごとの会社業績や個人評価等の確定後に支給します。
    • 職責の差異に鑑み、代表取締役社長 兼 CEOであるデイカス氏に対する業績連動賞与とそれ以外の取締役に対する業績連動賞与については一部異なる制度設計といたします。

    <代表取締役社長 兼 CEOであるデイカス氏に対する業績連動賞与>

    • デイカス氏の業績連動賞与におけるKPI(Key Performance Indicator)、割合及び評価は、下記の当社の従前の業績連動賞与に用いるKPIに加え、当社の新たな成長戦略及び資本構造・事業の変革施策において重視することとなるKPIを踏まえて、報酬委員会で審議のうえ、報酬委員会から答申を受けた取締役会が、当該答申に基づき決定します。
    • 業績連動報酬としての賞与に係る係数については、業績との連動をより高める為、係数の振れ幅をより広い設定とします。

    <他の取締役に対する業績連動賞与>

    • 業績連動賞与におけるKPIは下表のとおりとします。当該年度における本業によりキャッシュを稼ぐ力を評価しつつ、株主視点も取り入れるため、連結純利益もKPIとして組み合わせて用います。
    (業績連動賞与におけるKPI)
    KPI 割合 評価目的
    (a) 連結営業CF
    (除く金融)
    60% 本業によりキャッシュを稼ぐ力を評価
    (b)連結純利益 40% 純利益の予算達成度を評価
      <業績連動賞与に係る係数の算出式>
      業績連動賞与に係る係数={(a)+(b)}×(c)
      (a) 「連結営業CF(除く金融)」 に関する連動係数 × 60%
      (b) 「連結純利益」 に関する連動係数 × 40%
      (c) 「個人評価」 に関する連動係数
    • KPIの評価にあたっては、業績連動賞与に係る係数を代表取締役と取締役に分け、代表取締役の振れ幅を大きく設定することで、より強く業績連動の影響を受けるものとしています。
    • KPIの評価に加え、個人評価によって業績連動賞与に係る係数が変動します。
    • 金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値
  3. iii業績連動型株式報酬
    • 国内居住の取締役を対象として運用しております。
    • 中長期のインセンティブ報酬として、会社業績、経営指標や非財務指標等に基づき変動する、業績連動の株式報酬とします(2019年5月の定時株主総会において、役員報酬BIP信託制度による株式報酬制度の導入を決議)。
    • 業績連動の株式報酬として、在任期間中に株式交付のためのポイントが付与されることで、中長期視点の株主との、利益とリスクの共有促進を図るものとします。
    • 当初の対象期間は、2019年度から4事業年度とし、以後の対象期間については、3事業年度ごととします。
    • 取締役に対する株式等の交付等は取締役の退任時とします。
    • 各事業年度において付与されるポイントは、役位に基づく基準ポイントに業績連動型株式報酬に係る係数を乗じて算出され、目標達成度等に応じて0%~200%の比率で変動します。
    • 業績連動型株式報酬におけるKPIは下表のとおりとします。中長期株主視点を取り入れるため、連結ROE及び連結EPSを指標とし、その達成度を評価します。
    • 企業価値と社会価値の両立を目指す当社として、2019年5月に策定した環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』におけるCO2排出量の削減目標を、2020年度より業績連動型株式報酬のKPIに追加しました。
    • 多様な人財が能力を発揮できる環境づくりをより推進し、従業員の貢献意欲の向上による企業競争力の強化を担保することを目的として、「従業員エンゲージメント」を、2022年度より業績連動型株式報酬のKPIに追加しました。
    • BIP(Board Incentive Plan)信託とは、米国の業績連動型株式報酬(Performance Share)制度及び譲渡制限付株式報酬(Restricted Stock)制度を参考にした役員に対するインセンティブプラン
    (業績連動型株式報酬におけるKPI)
    KPI 割合 評価目的
    (a) 連結ROE 60% 資本に対する収益性を評価
    (b) 連結EPS 40% 株主視点から純利益を評価
    (c)CO2排出量 下記算出式参照 環境負荷低減の推進度を評価
    (d)従業員エンゲージメント 従業員エンゲージメントの向上度を評価
    • 報酬委員会による総合評価
    • <業績連動型株式報酬に係る係数の算出式>
        業績連動型株式報酬に係る係数={(a)+(b)}×{(c)+(d)}
        (a)「連結ROE」に関する連動係数 × 60%
        (b)「連結EPS」に関する連動係数 × 40%
        (c)「CO2排出量」に関する連動係数
        (d)「従業員エンゲージメント」に関する連動係数
    • KPIの評価にあたっては、業績連動型株式報酬に係る係数を代表取締役と取締役に分け、代表取締役の振れ幅を大きく設定することで、より強く業績連動の影響を受けるものとします。
  4. iv事後交付型株式報酬
    • 国外居住の業務執行取締役(代表取締役社長 兼 CEOであるデイカス氏)のみを対象とし、上記(ⅲ)業績連動型株式報酬との重複は生じない運用といたします。
    • 一定期間のコミットメントの遂行に基づくインセンティブ報酬として、事後交付型の株式報酬制度((※)リストリクテッド・ストック・ユニット制度)とします。
    • 事後交付型の株式報酬として、在任期間中に株式交付のためのユニットが付与されることで、株主との価値共有を図り、当社の企業価値の持続的な向上に対する一層のインセンティブを提供するものとします。
    • 当初の対象期間は、2025年度から3事業年度とします。
    • 対象取締役に対する株式等の交付等は、上記の対象期間終了後に最初に開催される定時株主総会の終結以降に開催される取締役会決議に基づき行います。
    • リストリクテッド・ストック・ユニット制度とは、対象取締役に対して、取締役会が定める数のユニットを事前に割り当て、取締役会が定める年数の事業年度中に最初に開催される当社の定時株主総会から、当該年数の事業年度終了後に最初に開催される定時株主総会の終結時までの期間中、対象取締役として継続して役務提供を行うことを条件として、当該期間の終了後に、権利確定したユニット数に応じて定まる数の株式又はこれに代わる金銭を交付する株式報酬制度

(c) マルス・クローバック

    • 各報酬の対象となる取締役に重大な不正・違反行為等が発生した場合や重大な会計上の誤り又は不正による決算の事後修正が取締役会において決議された場合等、報酬の性質毎に、取締役会が定める事由が生じた場合には、各報酬の全部若しくは一部の支給・交付を行わないこととし(マルス)又は支給・交付した各報酬の全部若しくは一部の返還請求(クローバック)ができるものとします。

(2)社外取締役及び監査役

(a) 報酬構成の割合

 社外取締役及び監査役の報酬構成の割合は、下記(b)記載の固定報酬のみといたします。

(b) 構成内容

固定報酬

  • 社外取締役及び監査役の報酬は、経営に対する独立性の一層の強化を重視し、固定の金銭報酬のみとし、業績連動報酬(賞与・株式報酬)は支給しません。
  • 報酬は、在任期間中、毎月定期的に支給します。
  • 報酬委員会による審議・答申のうえ取締役会の決定に基づき、役職に応じた手当を支給することがあります。

4.報酬ガバナンス

(1) 報酬委員会

 当社は役員等(本方針において「役員及び執行役員」をいいます。)の報酬の決定に関する手続の客観性及び透明性を確保すること等を目的として、委員長及び過半数の委員を独立社外取締役とし、また、委員を取締役で構成する報酬委員会を設置しています。

(2) 報酬の決定方法

 役員の報酬に関する基本方針である本方針は、報酬委員会の審議を通じて、取締役会にて決定しています。また、取締役の個人別の報酬額は、本方針に基づき、各取締役の役割、貢献度、グループ業績の評価及びKPI達成度に基づき報酬委員会で審議されたうえで、報酬委員会から答申を受けた取締役会が、当該答申に基づき、決定します。
 監査役の個人別の報酬額は、監査役の協議において決定します。

5.役員報酬枠

 役員の報酬額は、株主総会で決議された以下の報酬枠の範囲内で決定します。
 なお、当社は役員退職慰労金制度を既に廃止しており、役員退職慰労金は支給しません。

(1) 取締役

  • 金銭
    年額20億円以内(うち、社外取締役については年額5億円以内。なお、使用人兼務取締役の使用人分としての給与は含まない。)
    (2025年5月27日開催の第20回定時株主総会で決議)
  • 株式
    業績連動型株式報酬
    3事業年度/12億円以内(1事業年度当たり4億円以内)
    1事業年度当たりに付与するポイント :240,000ポイント以内(1ポイント=普通株式1株)
    (2022年5月26日開催の第17回定時株主総会で、金銭報酬と別枠で決議。なお、1事業年度当たりに付与するポイントは、当該株主総会において80,000ポイント以内と決議いただいておりますが、2024年3月1日付で普通株式1株を3株に株式分割を行ったことに伴い、240,000ポイント以内に調整しております。)
  • 事後交付型株式報酬
    各事業年度当たり500,000株(ただし、役務提供期間終了後に、当該役務提供期間に対応する当社普通株式数の総数を一括して交付することができる。)
    上限額は、①無償交付の場合、本制度のために取締役会が行う、当社普通株式の発行又は処分に係る決議の日の前営業日における東京証券取引所における当社普通株式の終値を基礎として算出した額その他の公正な1株当たりの評価額に、対象取締役に割り当てる当社普通株式の数を乗じた額とし、②現物出資交付の場合、当該終値を基礎として、当社普通株式の交付を受ける対象取締役に特に有利とならない範囲で取締役会において決定した1株当たりの払込金額に、対象取締役に割り当てる当社普通株式の数を乗じた額
    (2025年5月27日開催の第20回定時株主総会で決議)

(2) 監査役

  • 金銭
    年額2億円以内
    (2019年5月23日開催の第14回定時株主総会で決議)
7-Eleven, Inc.のCEOの報酬

 7-Eleven, Inc.のCEOの報酬体系は、業績や企業価値との連動を重視し、同社の中長期的な業績向上と企業価値向上への貢献意欲や士気を高める観点から、固定の金銭報酬である「固定報酬」及び業績連動の金銭報酬である「短期インセンティブ」と「長期インセンティブ」により構成しています。なお、業績目標達成を促す仕組みとするため、全体の90%以上を業績連動報酬とし、短期インセンティブは1年間、長期インセンティブは3年間を評価期間として、目標達成度や価値向上度に基づいて評価を行っています。報酬水準については、外部評価機関の知見も踏まえ、優秀な人財の維持・確保の観点等から、米国市場における報酬水準を参考としています。報酬額については、決定手続の客観性および透明性を確保するため、当社報酬委員会において協議を行った上で、最終的に7- Eleven, Inc.取締役会の決議により決定しています。

II. 2024年度における報酬更新

1.役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数

役員区分 対象となる
役員の員数
(名)
報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額(百万円)
固定報酬 業績連動報酬
賞与 株式報酬
(BIP信託)
左記のうち、
非金銭報酬等
取締役(社外取締役を除く) 7 731 266 205 259 259
社外取締役 9 284 284
監査役(社外監査役を除く) 2 84 84
社外監査役 3 70 70
  • (注)
    1. 上記には、2024年5月28日開催の第19回定時株主総会終結の時をもって退任した社内取締役1名および2024年12月29日に逝去され、同日をもって退任した社外取締役1名を含んでおります。
    2. 取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分の給与は含まれておりません。
    3. 2006年5月25日開催の第1回定時株主総会において、取締役の報酬額は年額10億円以内(ただし、使用人分の給与は含まない)と決議いただいております。当該株主総会決議に係る取締役の員数は16名です。
    4. 2022年5月26日開催の第17回定時株主総会において、取締役の株式報酬(BIP信託)における報酬額は、次のとおり決議しています。当該株主総会決議に係る取締役の員数は4名です。
      3事業年度/12億円以内(ただし、2019年度から開始している対象期間については、4事業年度を対象として、合計10億円)
      1事業年度あたりに付与するポイント 80,000ポイント以内(1ポイント=普通株式1株)
      なお、1事業年度あたりに付与するポイントは、2024年3月1日付で普通株式1株を3株に株式分割を行ったことに伴い、240,000ポイント以内に調整しております。
    5. 2019年5月23日開催の第14回定時株主総会において、監査役の報酬額は年額2億円以内と決議いただいております。当該株主総会決議に係る監査役の員数は5名です。
    6. 上記の業績連動報酬の額には、当事業年度における役員賞与引当金繰入額および株式給付引当金繰入額を含んでおります。
    7. 株式報酬(BIP信託)は、退任した社内取締役1名を含む5名に対するものです。
    8. 取締役(社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の総額の内訳は、株式報酬(BIP信託)259百万円です。

2.2024年度の業績連動報酬に係るKPIの実績

業績連動賞与におけるKPI
KPI 割合 評価目的 2025年2月期
目標値
2025年2月期
実績値
(a) 連結営業CF
(除く金融)
60% 本業によりキャッシュを稼ぐ力を評価 8,417億円 7,832億円
(b) 連結純利益 40% 純利益の予算達成度を評価 2,930億円 1,730億円

※ 金融事業を除くNOPATをベースとした管理会計数値

業績連動型株式報酬におけるKPI
KPI 割合 評価目的 2025年2月期
目標値
2025年2月期
実績値
(a) 連結ROE 60% 資本に対する収益性を評価 7.8% 4.5%
(b) 連結EPS 40% 株主視点から純利益を評価 112円05銭 66円62銭
(c)CO2排出量 下記算出式
参照
環境負荷低減の推進度を評価 1,898,449t 1,813,924t
  • <業績連動型株式報酬に係る係数の算出式>
  • 業績連動型株式報酬に係る係数={(a)+(b)}×{(c)+(d)}
    (a)「連結ROE」に関する連動係数 × 60%
    (b)「連結EPS」に関する連動係数 × 40%
    (c)「CO2排出量」に関する連動係数
    (d)「従業員エンゲージメント」に関する連動係数
  • CO2排出量の目標値、実績値は、2023年度のものです。
  • CO2排出量の目標値には、『GREEN CHALLENGE 2050』で定める2030年度の排出量目標値に対して、毎年度均等に排出量を削減して2030年度目標値(グループの店舗運営に伴う排出量を2013年比50%削減)を達成すると仮定して算出した場合の各年度の排出量を設定しています。
  • 「従業員エンゲージメント」に関する連動係数については、報酬委員会の総合評価により決定します。